2009年11月
もう飲みましたか?
今年はすごくぶどうの出来が良く、11月に入るとマスコミがこぞって騒ぎ立てていました。
当店でも5種類ご用意していましたが、おかげさまで4種類が予約で完売!自分用が無くなってしまったので、全種類扱ってもらっている英賀保の料理屋「転石」さんに行き飲んでみました。
例年よりぶどうが完熟しているからか、全体に少し濃い仕上がりにはなっているようですが、やはり造り手によって全然違います。
個人的にはこれ
ジャン・マルク・ラフォレ(通常3,570円、予約3,400円)
果実のコクと酸味のバランスが良く、この蔵のものはなぜか毎年洋ナシのようなニュアンスを感じます。それが個人的にグッド
これもいいです。
ドメーヌ・ド・ラ・マドンヌ(通常2,940円、予約2,800円)
一般の熟成向きのワインと同じ造りかたをしている(収穫から解禁までの時間が短いためヌーヴォーの場合はリスクが伴う)ので凝縮感がまったく違います。ある意味ヌーヴォーらしくはないのですが・・・。濃い赤ワインが好きな方ならこれが一番いいと思います。
「転石」さんは基本的に和食のお店ですが、実はワインに合うような洋食メニューもご用意されています。
この日はヌーヴォーにあわせ「鴨のロース蒸し煮」と「和牛のすき焼き」をいただきました。両方ともほっぺた落ちました
締めに初めて食べた「稲庭うどん」も絶品。
細麺なのにしっかりとしたコシと、繊細なダシの旨みがたまりません。大将に聞いた話では、一口に稲庭うどんといっても生産者によってピンキリだとか。これは最高の稲庭うどんだそうです。
ぜひ一度食べてみてください
11月17日、姫路の料理屋「生松」さんで「旬の味覚と冷やおろしの会」を行ないました。
ちなみに「冷やおろし」とは、冬場に仕込んだあと涼しい酒蔵の中で半年間ほど熟成させて秋口に瓶詰め、出荷した酒のこと。
新酒に比べると味がまろやかになり、この時期の旨みの乗った食材と相性ばっちり、ということで開催。
中には激レア、当店の氷温冷蔵庫(-2℃)で熟成させた蔵元にも残っていない酒も数点ご用意。
たくさんの方においでいただき盛大のうちに終えることができました。
数ある中で印象に残った酒は二つ。「龍力・大吟醸・生・冷やおろし・氷温9年熟成」と「龍力・純米・山田錦・生・冷やおろし・氷温10年熟成」です。
2つとも地元・姫路の酒になってしまいましたが、群を抜いていました。やはり、原料の米の格の違いでしょうか。熟成すればするほどおいしくなる、そんな気さえするような味わいでした。まるで極上の白ワインのような・・・。
お料理も素晴らしかったのですが、中でも珍しいのが「山田錦のわら包み」。
ある蔵元さんにお願いして酒米の王者・山田錦を分けてもらい、それを御飯物としてご提供。生松さんの大将いわく「何度か試してみたけど、最初は失敗した」とのこと。水加減、火の通し方などものすごく工夫されていました。
何で写真に撮ってないんでしょう・・・
初めて「食べた」山田錦、感動でした。
もちろん普段「山田錦のわら包み」はメニューにはありませんが、ここのお料理は絶品です。上品で繊細、これぞ日本料理、というお料理をいただくことができます。ぜひ一度行ってみてください。
ワインは、
・ガヴィ 2008 J・フラテッリ
・シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド1998
・シャトー・ピション・ロングヴィル1998
噛みそうなほど長い名前の2つのワインは、フランス・ボルドーの格付2級のもので、名前が似ているのはもともとひとつの畑だったのが分割されたから。同じヴィンテージの、もともと同じ畑のワインを飲み比べようという趣旨です。
コンテス・ド・ラランドはオフ・ヴィンテージ(あまり出来が良くないとされる年)でも素晴らしいワインを造ることで有名なのですが、1998年はなぜかいまひとつの出来だったそうです。それでも香りは素晴らしく、なめらかな味わいはまさに飲み頃のボルドーでした。
ロングヴィル(ラランドじゃないほう)は2時間前にデキャンタしたにも関わらず、まだ開ききっていないような印象。まだまだ若々しくパワフルで、あと5年後くらいからが飲み頃でしょうか?
若干飲みすぎましたが、非常に楽しく有意義な時間でした
感謝
先日、フランスから当店取り扱いワインの生産者を招いて試飲会とワイン会を行ないました。
ワイナリーは「ドメーヌ・ムリニエ」で、南フランス・ラングドック地方の秀逸な生産者。蔵主の次男で、栽培・醸造責任者のステファン・ムリニエさんが今回来日。
ドメーヌ・ムリニエは「シラー」というぶどう品種を主体にした赤ワインを生産。濃厚さとエレガントさをあわせもった、この地方のワインの見本とも呼べる素晴らしい赤ワインを造っています。
とあるワインのコンクールではギガルのコート・ロティやシャプティエのエルミタージュという数万円のワインと同等の評価を得るなど、世界的に高く評価されている造り手。
けれどステファンはいいます。「評論家に高く評価されるためにワインを造っているのではない。自分たちが住む南仏の、サン・シニアン村のテロワール(その土地の土壌や気候などワイン造りにおける環境を意味するワイン用語)をいかに表現できるかをいつも考えている。」
評論家ではなくお客様に高く評価されるワインを造りたい、という熱い思いがひしひしと伝わってきました。
ワインの売り手として、一人の人間として、すごく共感でき、また感動した言葉でした。
そうそう、実はステファンは元プロのラガーマン。スポーツマンらしく爽やかで、ちょっぴりお茶目で、すごくいいやつでした!
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konitan
ソムリエ協会認定ワインアドバイザー。皆様においしいワインや日本酒をお届けするため日夜奮闘中。
ワインと地酒 エスポアこにし
兵庫県姫路市飾磨区付城1-68
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【ニックネーム】
masayuki
【興味のあるもの】
ワイン
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【好きな言葉】
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